休日割増賃金について

休日割増賃金について

 泉亮介

1 休日割増賃金

休日割増賃金とは,休日に就労した場合に,その労働時間すべてを対象として,割増賃金を請求できるというものです。
休日割増賃金については,時間外割増賃金や深夜割増賃金とは異なり,3割5分以上と定められています。そして,休日割増賃金においていわれる「休日」とは「法定休日」を指していますので,会社側が休みとして指定した日に働いた場合に,すべてにおいて割増賃金が発生するというわけではないので注意が必要です。

 

2 法定休日?

「法定休日」という言葉は,あまりなじみがないかもしれませんが,労働基準法が,1週間に最低1日の休みもしくは4週間のうちに4日の休みは与えなければならないと規定しており,法律で与えることが義務付けられている休みが,休日割増賃金の発生の対象となる休日ということになります。

つまり,週休2日制で土日休みの休日形態をとっている場合,土日のうち法定休日,つまり休日割増賃金が発生するのはどちらか1日のみで,他方の労働は休日ではありますが法定休日ではないため,割増賃金は発生しないこととなります(所定休日といった呼ばれ方をすることもあります。)。

休日割増賃金は,「法定休日」という,労働する「日」に着目して割増賃金の支払いを義務付けているものですので,「時間帯」に着目した「深夜割増賃金」と同時に発生することもあることに注意が必要です。

 

3 Aさん(所定労働時間8時間)の場合

では,休日割増賃金について,時間外割増賃金及び深夜割増賃金と同時に発生する場合の具体的な例を挙げてみてみましょう。

労働条件については,時間外割増賃金についてのコラムと同じ条件で考えてみます。

Aさんの1日の労働時間は通常時であれば以下のようになります。

9時から12時 12時から13時 13時から18時
通常労働 休憩時間 通常労働

では,Aさんが24時まで仕事をしていたらどうなるでしょうか。Aさんが2時まで仕事を行っていた場合,以下のようになります。

 

9時から12時 12時から13時 13時から18時 18時から22時 22時から24時
通常労働 休憩時間 通常労働 時間外労働(残業) 時間外労働+深夜労働(残業)

更に,この労働日が法定休日だとすると以下のように変わります。

 

9時から12時 12時から13時 13時から18時 18時から22時 22時から24時
休日労働(残業) 休憩時間 休日労働(残業) 休日労働(残業) 深夜労働+休日労働(残業)

 

この場合だと,会社側はすべての労働時間に対し割増の賃金を支払わなければならず,労働者側は逆にすべての労働時間に対して残業代を払えと主張することが可能となります。

以上が,休日労働についての基本的な考え方になります。基本的には法律で定められた週1日の休日に働いた場合は残業代を請求できるという風にイメージいただければ問題ないでしょう。

また,朝から深夜までの労働の場合は,深夜労働の分が重なる時間帯が出てくるので,その点も覚えておくと,残業代について正確な金額が出しやすくなると思います。