それぞれの割増賃金の重複がある場合

それぞれの割増賃金の重複がある場合

 泉亮介

1 各種割増賃金が重複した場合

さて,今まで各種割増賃金(残業代)についての紹介をしてきましたが,その中で何度か,各種割増賃金が重複する場合があることについて触れて来たかと思います。
今回は,各種割増賃金が重複した場合にどのように計算されるのか,また具体的な計算式はどのようなものになるのかについて解説していきます。

各割増賃金が重複した場合,基本的には両者の割増率がそのまま重複して適用されます。
したがって,時間外労働と深夜労働が重複した場合,かかる時間帯には1時間につき5割以上の割増率が必要となります。月60時間を超過している場合は7割5分となります。また,休日労働が深夜労働と重複した場合には,同様に6割以上の割増が必要となります。

一方,休日労働と時間外労働については重複という概念がありませんので,休日労働が8時間を超えることがあったとしても,その労働時間が深夜労働に当たらない限りは,休日労働の割増率である3割5分以上にとどまります。

では,具体的な計算式はどうなるのでしょうか。

2 割増賃金の計算方法

まず,割増の基礎となる賃金(基礎賃金)については,基本給のみならず各種の手当ても含まれます(例外あり)。

基礎賃金の算出方法については,給与の支払い方法により異なります。

a 月給制の場合

基本給その他手当の合計額÷月の所定同労時間数

月により所定労働時間数が異なる場合

1年間の総所定労働時間数を÷12=月の所定労働時間数

となります。

b 日給制の場合

日給の金額÷1日の所定労働時間数

c 時給制の場合

時給額

ここで出た数字が1時間当たりの基礎賃金となるので,そこに割増率を乗じた金額が割増賃金額となります。時間外労働の場合は基礎賃金×1.25,深夜労働の場合は基礎賃金×0.25,休日労働の場合は1.35となりますね。

以上が割増賃金の基本的な考えとなります。